みなさん、今日は北海道スペースポート(HOSPO)について紹介しようと思います。北海道スペースポート(HOSPO)について聞いたことはあるでしょうか??北海道スペースポート(HOSPO)は2021年に大樹町に設立されたアジア初の民間にひらかれた宇宙港です。
概要
宇宙産業の世界市場規模について2020年は約50兆円ですが、宇宙ベンチャーの台頭や商業宇宙活動の増加が見込まれ、2040年には100兆円以上になる予測されています(米モルガンスタンレー調査による)。
2040年に100兆円規模…成長の勢い増す宇宙産業、日本は世界に存在感を示せるか|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)
また、500kg以下の小型人工衛星の打上げは、350機程度(2019年)から1,000機程度(2030年)に拡大し、この需要を満たすためには現状に加えて年間60-300機の小型衛星打上げのためのロケットや射場が必要となります。しかし、現状アジアに民間の人工衛星用ロケット射場はありません。
GPSの精度向上、自動運転の普及、スマート農林漁業の進化など、宇宙技術の進歩は日常生活に大きな影響を与えます。このため、宇宙ロケットを射出するための宇宙港(スペースポート)の必要性が高まっており、北海道はその中心として注目されているところです。
北海道スペースポート(HOSPO)について
北海道スペースポート(HOSPO)は、世界中の宇宙産業に取り組むプレイヤー(民間企業・大学・研究機関・政府等)が自由に使える、シェアするスペースポート(宇宙港)として、2021年春に北海道大樹町に誕生しました。
実は日本でつくられた人工衛星も、海外のロケット・射場から宇宙に運ぶケースが出てきています。北海道スペースポートは、この課題を解決し、日本国内の宇宙産業の成長に貢献するため、ロケットや宇宙旅行等を目的とした宇宙船(スペースプレーン)を対象とした実験・打上げ設備や滑走路を持ち、エンジン燃焼試験から打上げまでをトータルでサポートします。
また、HOSPOは世界の民間企業が利用できるロケット射場としてはアジア初であり、かつ、水平離着陸および垂直打上げ対応型の宇宙港としてもアジア初となります。東側や南側に海がひらけている地理的優位性等からアジアやヨーロッパのロケット打上げ事業者からも注目されています。
なお、日本のスペースポート(計画含む)は、現在6か所あります。しかし、水平離着陸、垂直打上げの両方が可能なスペースポートは北海道スペースポートだけになります。
- 北海道スペースポート(北海道大樹町)
- スペースポート大分(大分県国東市)
- スペースポート紀伊(和歌山県串本市)
- 下地島(沖縄県宮古島市)
- 種子島&内之浦(鹿児島県)
【イベントレポ】2022/05/20 北海道スペースポートトークイベント「スペースポートで北海道はどう変わるのか? 宇宙産業と地方創生」 |北海道スペースポート (note.com)
北海道スペースポート(HOSPO)の施設詳細について
- Launch Complex-1(LC-1):Launch Complex-1(LC-1)は、人工衛星用ロケットのための射場で、垂直打上げロケットの打上げが可能。射点、組立棟、推進剤等タンクヤードを常設。また、エンジン燃焼試験の設備を併設。インターステラテクノロジズ株式会社が観測ロケットMOMOの打上げで使用しているLaunch Complex-0の隣に建設、2023年度完成予定。
北海道スペースポート(HOSPO)について | 北海道大樹町公式ホームページ (town.taiki.hokkaido.jp)
- Launch Complex-2(LC-2):Launch Complex-2(LC-2)では、人工衛星用ロケットの高頻度打上げ(垂直打上げ)が可能で、LC-1よりも大型の射場となる。射点、組立棟、推進剤等タンクヤードを常設。組立棟は複数あり、複数企業のロケットの同時組立て、打上げ準備が可能。2025年完成予定。
北海道スペースポート(HOSPO)について | 北海道大樹町公式ホームページ (town.taiki.hokkaido.jp)
- Runway(滑走路):既存の1,000mの滑走路は、これまでJAXA(宇宙航空研究開発機構)、民間企業、大学等の航空宇宙実験での使用実績あり。これを1,300mに延長し、スペースプレーンの離着陸試験としても活用の予定。将来的には宇宙旅行等に使われる有人スペースプレーンのために3,000m滑走路の新設を構想。
北海道スペースポート(HOSPO)について | 北海道大樹町公式ホームページ (town.taiki.hokkaido.jp)
SPACE COTAN株式会社について
最後に北海道スペースポート(HOSPO)を実際に運営しているSPACE COTAN株式会社について紹介します。
「 北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」 という大樹町の計画の具体化に向けて、大樹町、エア・ウォーター北海道、帯広信用金庫等道内企業等が出資し、新会社SPACE COTAN株式会社を設立されました。
同社は、大樹町からの委任を受け、北海道スペースポートの管理運営、整備資金調達支援、射場の詳細設計、国の認定取得、国内外の顧客開拓、PR活動等の企画・運営を行っています。同社CEOには、これまでエアアジア・ジャパン(株)のCEOを務め、航空宇宙産業界に精通する小田切義憲氏が就任しています。同社のビジョンは以下のとおりです。
世界中から宇宙開発に取り組む企業や大学、政府、さらには宇宙を夢見る子どもたち、宇宙に関心を寄せるあらゆる々が一同に集まる、宇宙版シリコンバレーを、北海道につくる。人類の進化を牽引する企業を、北海道、そして日本から世界に送り出す。ロケットや宇宙船が当たり前に打ち上がる未来は、宇宙を使える、楽しむことが当たり前になる未来だ。人類は、宇宙で進化する。
名称 | SPACE COTAN株式会社(SPACE COTAN Co., Ltd.) |
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所在地 | 〒089-2152 北海道広尾郡大樹町西本通98 3階 |
CEO | 小田切 義憲 |
設立年月日 | 2021年4月 |
資本金 | 7,600万円 |
事業概要 | 大樹町からの委任に基づくHOSPOのプロジェクト推進業務全般(北海道スペースポートの管理運営、整備資金調達支援、射場の設計、国の認定取得、国内外の顧客開拓、PR活動等)、宇宙産業促進に向けた自主事業等 |
ホーム | https://www.hokkaidospaceport.com |